あひる日記

工学系大学院生の備忘録

【論文紹介メモ】フェノール系(Styrene, Phenol, Catechol, Gallol)水中接着剤の合成と比較

ガロール基共重合体をMOM基保護法で合成,その方法を他のフェノール系共重合体の合成に応用し,これらの接着力を同一条件下で比較した論文です.

  • 今日は,”Tunicate-Inspired Gallol Polymers for Underwater Adhesive: A Comparative Study of Catechol and Gallol(水中接着剤用ホヤに着想を得たガロールポリマー:カテコールとガロールの比較研究)”という論文を紹介します.(論文サイトへのlink→リンク

    • Zhan, K. et al. (2017). Biomacromolecules 18, 2959–2966.
  • 筆頭著者の他の論文

    • “Antioxidant and Adsorption Properties of Bioinspired Phenolic Polymers: A Comparative Study of Catechol and Gallol”

背景  水中用接着剤には大きな需要があるが,水和による軟化や溶解の課題がある.ムール貝の接着機構(DOPA)を利用した水中接着剤の研究が進んでいる.ここでホヤの創傷治癒メカニズムが注目されつつある.

目的  ガロール基を利用した接着剤を合成.他のイガイガ模倣ポリマー系で系統的かつ詳細な研究を行う.

方法       スチレンP(St-co-BA),フェノールP(VPh-co-BA),カテコールP(VCat-co-BA),ガロールP(VGal-co-BA)の(1+)3種類のフェノール基を有する共重合体を,メトキシメチル保護/脱保護経路を用いて合成.

https://i.gyazo.com/ff60e35af79497515186c119052a066e.png

結果①   新たに合成したガロール基含有共重合体は,空気中,水中,海水中,リン酸緩衝生理食塩水中のすべての条件下で,接着力は硬化時間の経過とともに増加し,最も強い接着性能を示した(ラップせん断接着試験).ガロール基を26%含有するP(VGal26%-co-BA74%)は,最も高い接着強度を示した(水,海水,PBSの条件下で,それぞれ1.01±0.26,1.34±0.43,1.35±0.17MPa).これは市販のイソシアネート系接着剤より高い値であった.P(VGal-co-BA)共重合体の水接触角はP(VCat-co-BA)共重合体よりも小さく親水性が高い,P(VGal-co-BA)共重合体のWA(接着仕事)は空気中のP(VCat-co-BA)およびP(VPh-co-BA)共重合体の値よりも大きい.ガロールの高い接着力は,3座構造関連の界面相互作用(interfacial interaction)と化学的架橋(chemical cross-linking)によるものと考えられる.

結果②   ダンベル型フィルムの引張強度試験でP(VGal-co-BA)共重合体の凝集性相互作用が高いことが確認できた.水中での機械的特性の経過変化が小さいことから,膨潤性が低いこともわかった.

結果③       酸化による架橋がP(VGal-co-BA)内部に強い凝集性の相互作用をもたらすことをFT-IRで確認した.また,カテコール基がガロール基よりも酸化されにくいことがわかった.

https://i.gyazo.com/60db7dbe70cc35b4d92ce5ecaf352c40.png

結果④       さまざまな表面エネルギー,粗さ,および産業用途を示す基材(アルミ,ガラス,PVC,PTFE,豚皮)に対して接着特性を示した.

結論       ガロール基共重合体をMOM基保護法で合成,その方法を他のフェノール系共重合体の合成に応用し,これらの接着力を同一条件下で比較した. ガロール基含有ポリマーは,カテコール基含有ポリマーと比較して,すべての条件で優れた性能を示した.それぞれのポリマーのさまざまな基材上での接着強度も定量化し,ガロール基含有ポリマーは豚の皮膚をくっつけるのにも優れた性能を発揮することがわかった.

意見       ガロール基含有ポリマーは,豚の皮膚をくっつけるのにも優れた性能を発揮したことから,その後Hino(2020)の生体接着剤への繋がりを確認できた.

  • イソシアネート系接着剤
    • モノマーが流動した状態で表面に塗布され,その後重合する.重合反応はイオン強度など周囲の環境に影響される.ガロール官能基を有する共重合体は,すでにポリマー状態で基板に付着.
    • Polymer Composition and Substrate Influences on the Adhesive Bonding of a Biomimetic, Cross-Linking Polymer
    • Adhesion mechanism in a DOPA-deficient foot protein from green mussels
  • 合成ガロール官能基化材料の接着剤応用を論じた研究
    • Tunicate-mimetic nanofibrous hydrogel adhesive with improved wet adhesion
    • Tunicate-Inspired Gallic Acid/Metal Ion Complex for Instant and Efficient Treatment of Dentin Hypersensitivity
  • ホヤ被嚢(tunicate tunic)の関連論文
    • New perspectives in the chemistry and biochemistry of the tunichromes and related compounds
    • Novel 3,4-di- and 3,4,5-trihydroxyphenylalanine-containing polypeptides from the blood cells of the ascidians Ascidia ceratodes and Molgula manhattensis
    • Structure of the Tunichrome of Tunicates and its Role in Concentrating Vanadium
    • The crosslinking and antimicrobial properties of tunichrome
    • Stimuli-Responsive Polymer Nanocomposites Inspired by the Sea Cucumber Dermis
    • Cellulose in the house of the appendicularian Oikopleura rufescens

【読書記録】搾取される研究者たち:産学協同研究の失敗学

2023/01/27 搾取される研究者たち:産学協同研究の失敗学

  • 初版発行: 2020年3月
  • 著者: 山田剛志

内容をざっくり解釈すると,共同研究をはじめとする大学の研究室・研究者と,産業界との関わりに対して,大学の研究室・研究者側が不利になっているのではないか,という事例と筆者の主張.

  • 共同研究における,企業と研究者の特許をめぐるトラブル

    • 発明者が誰なのか問題では,大学もTLOも研究者を守ってくれないので,改変できない形での実験ノートなどを記しておく必要がある
    • 職務発明制度によって大学が特許取得者になったとしても,その利益を上げる義務は負っていないため,共同研究先などが利益を独占しようとすることがある
  • 共同研究における,若手研究者に対するハラスメント

    • 研究業績よりも,獲得資金や共同研究数での評価が高いことが多い
    • 企業と大学との契約になっており,実際に責任を持つ研究室の教授や,実際の実験などを担当することになる院生とは契約が結ばれていないことが多い
    • 大学教員が大学よりも共同研究先の企業の利益を尊重するような行為をすると背任罪となることがある
  • 大学発ベンチャー企業の内実と,そこに勤めるポストドクターの待遇問題

    • 大学発ベンチャーの定義が曖昧
    • 「大学で達成された研究成果に基づく特許や,新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー企業」以外のものも大学発ベンチャーとカウントされていることがあるが,競争的資金を受けているのは先の定義のもののみ
    • 大学発ベンチャーがどうなれば成功なのかの定義がされていない
    • 競争的資金を受けることが目的で,十分な売上を上げている企業は少ない
  • 産学連携の流れ

    • 1998 大学等特別技術移転促進法(TLO法)
    • 2002 大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プラン
      • 知的クラスター(公的研究機関等を核とし,地域内外から企業等も参画して構成せれる技術革新システム)を日本でも作る

      これから大学の予算を減らすから,産業界と交流し,自らの研究を基に共同研究を行い,自ら研究費を獲得しなさい

    • 2003 大学教員の特許は大学帰属のものとなった
    • 2004 国立大学法人
      • 大学発ベンチャー期待
        • 企業の研究開発費削減,大学法人化による社会貢献への期待
        • 国の支援プログラムの充実
    • 2019 新株予約権(大学の知的財産権大学発ベンチャーに移す手法)

感想

  • ポスドクの説明や大学の環境説明などがしっかりなされていてよかった
  • ちょっと将来が不安になった.大学教員になりたい人だけが博士課程に進むのだろうか?
  • 少ない事例(筆者の経験)を述べているように感じた
  • それを踏まえると,なかなか主張が強いように感じた
  • 逆に,個人の事例が垣間見えて生々しさから来る説得力を感じた
  • アメリカなどの政策をそのまま?輸入したら日本では別物になっている,という雰囲気を感じた.よくある言説であって,もっと違う切り口にならないのだろうか.

【論文紹介】ポリアリルアミンベースのカテコールおよびガロール湿潤接着用ハイドロゲル

ポリアリルアミン(PAA)を,イガイ類接着タンパク質を模倣したカテコール基(CA)およびホヤ類に見られるガロール基(GA)で修飾し,修飾ポリマーのpH変化に伴うゲル化,自己修復,接着特性を比較検討した論文です.

  • 今日は,”Tunicate-inspired polyallylamine-based hydrogels for wet adhesion: A comparative study of catechol- and gallol-functionalities(ホヤにヒントを得たポリアリルアミンベースの湿潤接着用ハイドロゲル:カテコールおよびガロールの機能性の比較検討)”という論文を紹介します.(論文サイトへのlink→リンク
    • Lee, S. Y., et al. (2021). Journal of Colloid and Interface Science601, 143-155.

背景  接着性ハイドロゲルは組織接着剤といった医療分野や,ウェアラブル電子デバイスへの応用が期待されている.

目的  湿潤状態でも安定で強固な接着特性をハイドロゲルに付与すること

方法       PAA-GAは,EDC/NHS化学反応を用いて,GAのカルボン酸基とPAAのアミノ基を反応させることにより調製.反応中のガロール基の酸化を防ぐため反応中溶液のpHを〜5.0に調整.PAA-GAを純水に溶解して20 wt%溶液とし,2 N NaOH溶液を用いてpHを7に調整,このPAA-GA溶液を室温で24時間攪拌し,PAA-GAハイドロゲルを調製. Image from Gyazo

結果①   PAA-CAとPAA-GAのゲル化は,それぞれ約18時間と15時間で起こった.ガロール基の酸化状態はUV-visで分析.シッフ塩基反応によりイミン(C=N)を形成していることをXPSで確認,これがゲルの架橋であり自己修復性を付与している.ハイドロゲルの圧縮試験と膨潤試験,SEMによる細孔構造観察,ディスク拡散法を用いた抗菌性評価,

結果②   酸化防止特性をDPPHの色変化を利用して評価した.ガロール基を有するPAA-GAは,より多くのラジカルを捕捉し他の基とより多くの水素結合を形成することができる.さらに,ガロール基はフリーラジカルに部分的に電子を提供,ガロール基をラジカルカチオンに変化させる.

結果③   接着力をラップシアー試験で評価した.基板はPETフィルム,鉄板,マイカ板,豚皮など.乾燥状態より湿潤状態(PBS溶液)の方が,またPAA-CAよりPAA-GAハイドロゲルの方が接着力が高かった.豚皮で7 kPa程度.

結論       カテコール変性PAA(PAA-CA)およびガロール変性PAA(PAA-GA)を合成し,1H NMR, ATR-IR, UV-visの分光分析によりその形成を確認.pHを調整するだけでハイドロゲルを形成,動的なイミン結合により高い自己修復性,優れた抗酸化活性,乾燥環境よりも湿潤環境において高い接着強度,抗菌性を示した.

意見       水中接着剤としては強度が不十分に思った.ハイドロゲルとしては高いのかもしれない.pH調整下でないと機能しないのか,それとも純水中や他のイオンの存在下でも機能するのか気になる.ゲル化するとカテコールおよびガロール基は酸化されないのだろうか.時間経過に伴う接着力の変化が気になる.

  • カテコールの水中接着性発現機構
    • フェノール基が親水性表面と非常に強い水素結合を形成
    • 共有結合,金属イオンとの配位結合など様々な結合を形成
    • π-πスタッキング相互作用
    • pH変化下でカテコール基が酸化されてキノン型になると,キノン型が他のキノン基と共有結合を形成,求核性のアミノ基やチオール基と反応
      • これに加えてイガイには,DOPAとカチオン性のリジンが存在し,基材表面を覆う水分子を除去
  • 主要な先行研究
    • Zhan et al. “Tunicate-inspired gallol polymers for underwater adhesive: a comparative study of catechol and gallol” (2017)
    • Hino and Ejima. “Tissue Adhesive Properties of Functionalized Chitosan: A Comparative Study of Phenol, Catechol and Gallol” (2020)
    • Zhan et al. “Antioxidant and adsorption properties of bioinspired phenolic polymers: A comparative study of catechol and gallol” (2016)
  • 乾燥状態および湿潤状態での接着力の違いについて
    • 空気中(乾燥状態)では,PAAポリマーのアミノ基が電子密度をカテコール基またはガロール基側に押し出す傾向があるため,電荷の差が大きくなり,フェノール基の表面付着が増加する.一方水分の存在下では,アミノ基がフェノール基の周囲に位置する水分子を引き寄せるため,フェノール基が基板表面と直接相互作用し,湿潤密着性が向上する.
        1. Shin et al. “The position of lysine controls the catechol-mediated surface adhesion and cohesion in underwater mussel adhesion” (2020)
      • G.P. Maier et al. “Adaptive synergy between catechol and lysine promotes wet adhesion by surface salt displacement” (2015)
  • 抗菌性について
    • カテコール基とガロール基は細菌の細胞壁表面に吸着した後,細菌を物理的に死滅させることができる.また,細菌はカテコール基よりもガロール基に感受性が高いため,より高い抗菌活性を有すると考えられる.
      • T. Taguri, et al. “Antibacterial spectrum of plant polyphenols and extracts depending upon hydroxyphenyl structure” (2006)

【論文紹介】カテコール基含有セルロース系組織接着剤

鉄イオンを架橋剤として導入したカテコール基含有セルロース系組織接着剤の論文です.

  • 今日は,"Mussel-inspired cellulose-based adhesive with biocompatibility and strong mechanical strength via metal coordination(金属配位により生体適合性と強い機械的強度を有するムール貝由来のセルロース系接着剤)"という論文を紹介します.(論文サイトへのlink→リンク

    • Tang, Z., et al. (2020).  International journal of biological macromolecules144, 127-134.
  • この研究は, 中国,Fujian Agriculture and Forestry University, college of material engineering Lihui Chen's Lab のグループによるものです.(どのようなラボ?→リンク

背景  海洋生物であるイガイの接着機構を模倣した水中接着剤は一般的に石油化学製品や有機溶剤が使用されており,環境や生体適合性に問題がある.また,外科用接着剤において,ヒト血清から調製したフィブリンベースの接着剤(12.0 kPa)は無毒であるが,機械的強度は約12kPaと比較的低い.

目的  機械的強度と生体適合性に優れた環境に優しい接着剤として,主鎖を多糖類をベースとした高強度な水中接着剤の開発.

方法       TEMPO酸化セルロースとカテコール基を有する塩酸ドーパミンのアミド化反応により,カテコール含有接着剤を調製.接着剤の構造をUV-vis分光法,フーリエ変換赤外分光法(FTIR)および核磁気共鳴(1H NMR)法により解析.接着剤0.30 gを水1.0 mLに溶解,FeCl3粉末を溶液に添加して15分間撹拌後,豚皮を用いたラップせん断引張試験(48時間)により接着強度を測定.NIH 3T3細胞試験によって生体適合性を評価.

結果①   カテコール含量0%から16.5%(立体障害による上限)の一連のセルロース系接着剤を合成.カテコール基の増加によって,熱安定性が向上した.

結果②   接着力は,カテコール基の増加によって向上.カテコール含量16.5%において,Fe(Ⅲ)なしの時は20.0 kPa,Fe(Ⅲ)添加時(Fe3+とカテコールのモル比が1:3に近いとき)は88.0kPaとなった.理由としては,1 molのFe(Ⅲ)が3 molのカテコールと配位して安定なtris-complexを形成して凝集力とバルク接着性を高める,過剰なFe(Ⅲ)はbis-, mono-complexを形成し接着強度の向上には不利.配位結合(Fe(Ⅲ)添加時は30分後には完全なゲル状態)は酸化(14日後には溶液はキノンによる分子間架橋によって固化)よりも速い.

結果③   セルロース系接着剤上で培養したNIH 3T3細胞の相対的な生存率は,5日後に105%(70%未満であれば細胞毒性)となり,無毒性で生体適合性があることを示した.Fe(Ⅲ)によって生存率はわずかに上昇した.

結論       TEMPO酸化セルロースと塩酸ドーパミンのアミド化反応により,強い接着強度と良好な生体適合性を有するカテコール含有セルロース系組織接着剤を調製することに成功.カテコール含量が増加するにつれて接着強度は増加.Fe3+イオンの架橋剤の導入により,接着強度は向上し,硬化時間も短縮.セルロース系粘着剤のカテコール含量が16.5 mol%のとき,Fe(Ⅲ)-カテコール配位によりブタ皮膚に最大88.0 kPaの粘着力を示した.

意見       生体適合性はマウスなどの体内に移植してみるなどの追加実験が必要そう.体内においてセルロースは毒性を持たないのだろうか.また,水中接着剤として水中でアルミ試験片での引張試験をしてみてほしい.接着剤を水に溶かしているので,水中では溶け出してしまうのだろうか.セルロースは環境中で分解されやすいのか,鉄イオンによって分解が阻害されるのか.

  • セルロースを用いた水中接着剤として,同じグループが出している論文がある. Biocompatible Catechol-Functionalized Cellulose-Based Adhesives with Strong Water Resistance

  • 変性セルロースの生体適合性が気になる. セルロースを体内に入れた時,適合しないような文面を見たことがある気がするが,調べてみたい.

ChemDrawで描いた分子をBlenderに3Dモデルとしてインポートする

せっかく大学が夏休み期間なので,新しいことをはじめようと思いたち,Blenderを触っています. 分子モデルを使いたいなと思い試行錯誤した記録を残しておきます.

概要

ChemDrawで作った構造式ファイルをOpen Babelを使って.pdbに変換し,Blenderで読み込みます.

大まかな流れを示します.環境はMacです.
ChemDrawは使えるものとし,Blenderもインストール済みとします. 以下管理者権限のあるアカウントから行うこと.

  1. HomeBrewを入れる
  2. Open Babelのインストール
  3. iBabelのインストール
  4. ChemDrawで構造式を描く
  5. Open Babelを使って.cdxファイルを.pdbに変換
  6. Blenderで.pdbファイルを開く

目次

1. HomeBrewを入れる

Open Babelのインストール方法はいくつかあるようですが,今回はHomeBrewを用いました.
既にHomeBrewが入っている人はスキップしてください.

ターミナルを開いてHomeBrewのHPにあるコマンドをコピペしてEnter.

この時パスワードを聞かれるはずなので,管理者権限のあるアカウントから行うこと.

2. Open Babelのインストール

ターミナルを開いて以下を入力してEnter.「$」は入力せずbrew以降をコピペしてください.

$ brew install open-babel

インストールには結構時間がかかります.ターミナル上で勝手にmakeとかしていたらOK.

Open Babelに詳しいことが書いてあります. 上画像において,Downloadの矢印マークをクリックすると次のような画面が出てきます.HomeBrewを使わないインストール方法も教えてくれます.

3. iBabelのインストール

Open BabelはCUI(コマンドライン)での操作が可能なようですが,慣れていないため,GUI操作画面を使いたいと思います.

MacOS用に提供されているiBabelをインストールします.
今回はiBabel4.0をインストールしました.

iBabelを開いて,画面中程にあるzipをダウンロードします. ダウンロード後,アプリをPCの「アプリケーション」内に移します.
アプリをクリックして開こうとすると,外部からのインストールのために開けないことがあります.
その時は,右クリックから「開く」を選択すれば開けるようになります.

ターミナルで以下を打ち込んでEnter.obabel 実行可能ファイルへのパスが帰ってきます.

$ which obabel

例えばこんな感じ.これをコピーしておきます.

/usr/local/bin/obabel

iBabelのアプリを開いた時,左上にあるバーから「iBabel」をクリックして「Preferences」を選択,「obabel location」に先ほどコピーしたパスをペーストして「OK」.パスを通しました.

4. ChemDrawで構造式を描く

ChemDrawで構造式を書いて保存しておきます.今回は省略.タンニン酸の構造式を描き,「TA.cdx」という名前のファイルを作りました.

5. Open Babelを使って.cdxファイルを.pdbに変換

iBabelを開いて,ファイルを変換します.
Input Fileを指定して,Input File Type(今回はcdx)をプルダウンから選択.同様にOutput File(変換先のファイル)の保存場所とFile Type(pdbにする)を指定します.

画面右側のGenerate 3Dにチェックを入れたら,左下のCheckを押すと,今回行う変換にエラーがないかなどをチェックしてくれます.

大丈夫そうだったらConvertを押します.指定した場所に新しくファイルができていたらOK. 今回は「TA.pdb」というファイル名にしました.

6. Blenderで.pdbファイルを開く

Blenderでアドオンを有効にして.pdbファイルを読み込めるようにしていきます.
Blenderを立ち上げて,左上の「編集」から「プリファレンス」を選択. 「Import-Export:Atomic Clender PDB/XYZ」というアドオンを探して,左のチェックボックスにチェックを入れます. すると,「ファイル」>「インポート」から.pdbファイルを開けるようになっていることがわかります. 先ほど変換して保存した.pdbファイルを開けば,分子3Dモデルのインポートに成功です.

参考文献

以下のサイトを参考にしました.

おまけ

ほかに調べたことを記録しておきます.

動画編集覚書

  • 自分がどう動画編集しているかの説明を備忘録として書いておく.
  • 2020年8月から動画編集をはじめたばかりなので,超初心者.
  • 大学の学園祭で学生企画として研究室紹介動画や,学科紹介動画,サークルでの成果発表動画などを編集したことがある.
  • 様々な人から頂いたアドバイスと経験をさらっとまとめたメモ書き.
環境

制作の流れ

  • 企画
  • (撮影用)コンテ作成
  • 撮影
  • (編集用コンテ作成)
  • 素材作り
  • 編集

企画

  • なぜ何を誰にどのように伝えるものなのかはっきりさせる
  • 文章化してチームで共有しておくべき
    • 後から考え直す必要が出てきたり,コンテなどを決めていくにあたって根本になるので,しっかり記録しておくと良い
    • 短文のキャッチコピーになっているとよりわかりやすい
    • 尺(3分なのか30分動画なのか)
    • どのメディアを利用するのか(スマホで縦に見るのかPC画面で見るのか)
  • 期限はいつか

コンテ

  • 絵コンテでもいいし,字だけのト書きみたいなのでもいいのかもしれない
  • ある人に「(動画は)具体化と共有」であると言われた
    • 動画にしたい内容を見せる時,どんな動画がいいのか
    • チーム内でどんな動画にするか言葉で話し合っても共有できなくて,イメージ画像だけでもあった方がいい
    • Pinterestとかでみんなでイメージ画像を探してきてイメージボードを作るなど
    • 具体的なイメージを持って来て議論した方がいい.こんな写真がいいと言って具体例を出したり
    • 時間があれば動画をでっち上げてみたり
      • なんとなく素材があってiMovieとか使えば3時間くらいで一本でっち上げられる
      • iPhoneにはアルバムを作ると,その内容で勝手に動画を作ってくれる機能もある
    • 内容や素材の検討もできたりする
    • ひとまず動画にしてみると,この内容では間延びするとか面白くないとかわかったりした
  • こんな動画にしたいと思える,参考になる動画があればYouTubeからピックアップしておくといい

撮影

  • 動画や写真をコンテ通り、または目的に沿って撮影する
  • 三脚大事
    • 三脚がたてられない時はジンバルも使うと良いかもしれない
    • 三脚には静止画用のものと動画用のものがある
    • 基本的に固定で撮るのがいいと思う.撮影するときは,思っているよりちょっと長めに録っておくのが吉.
  • カメラ
    • 新しめのiPhoneはかなり良いので,カメラとして十分
    • 撮り直しできるかわからないので,多めに撮影しておくといい
    • 全体と寄りの2種類を撮っておくと便利
    • 変なものが写り込んでないかちゃんと確認しよう
  • ライティング
    • 部屋の明かりは消して照明焚いた方がかっこいい絵になったりする
    • ひとまず白飛びしない程度に,太陽光の元で撮影するのが良い
  • 音声
    • できればマイクを使うべき
    • BGMをつけるなら環境音はいらないけど,インタビューとかではマイクを使うべき
      • iPhoneのマイクはあまり良くないらしい
    • 人の声を録るならピンマイク,環境音をとるならガンマイク,屋外撮影なら風防をつけること

素材の作成/管理

  • 写真や動画をgoogle Driveに上げてもらい,素材置き場にした
    • それがどんな場面のどんな映像なのかは把握しておくと良い(編集者目線)
  • 簡単なアニメーションならパワポでもできるし,XDでもできる
    • 説明用の本編アニメーションもあるが、動画の構成によっては短いアニメーションもよく使われる
    • 動画中の話題切り替えのアニメーション(ブリッジ)
    • オープニング
    • エンディング
    • ロゴモーション
  • YouTubeにアップするなら次も準備する必要がある
    • サムネイル画像(YouTubeで一覧になっているときに表示される画像)
    • 説明文
    • 動画タイトル

編集ソフト

  • いろんなソフトがあるので好きなものを使ってみる
  • iMovie(無料,Macのみ)
    • Mac製品ならデフォルトで入っている.テンプレートが使いやすい
  • AviUtl(無料,Windowsのみ)
    • モーションもできるし,プラグインも多い.利用者も多いので使い方も検索してヒットしやすい
  • Davinci Resolve(無料,MacWindows両対応)
    • かなり高機能
    • 最近動画編集界隈でも注目度上がってきてるし、使い方も検索してヒットしやすい
  • Adobe Premiere Pro(有料,MacWindows両対応)
    • 学生ならAdobeコンプリートプランを学割で買っちゃうのがいいかもしれない
    • プロでも使ってる

BGM

  • ナレーションが入ってないときはBGMを入れるといいと思う(無音はアレ)
  • 無料で著作権フリーの音源(使った感じとか他のおすすめあったら教えてください...)
    • Audio Library
    • NCS
    • YouTube Audio Library
  • キャプションを入れれば使えるフリー音源とかも多い
  • BGMはひたすら探して聴きまくるしか探す方法がないので頑張る

編集作業

  • ここが一番時間かかるはず
  • 映像や写真をカットして,コンテ通りに入れる
    • 1カット3秒くらいの気持ちでやると飽きない動画になるらしい
    • いろんな動画を見て、参考にすると良いと思う
    • 音楽に合わせて入れると見ていて気持ちの良い映像になる
  • どこを見せたいかで画角の調整をする
    • 撮影時にカメラを動かすのもアリだけど難しい
  • テロップを入れる
    • とても難しい
    • 位置,出し方,短く伝わる日本語力
    • 人が喋るときは,言葉のはじめに合わせてテロップを入れる.表示が音声より早すぎるとダメ.
  • エフェクト/トランジションを入れる
    • 画面の切り替えはフェードアウトとか
    • トランジションにも色々な種類がある
  • 再生スピードを変える
    • 早送りにしたり,スローにしたり
  • 音をいじる
    • BGMを入れるなら環境音はミュートにした方がいいと思う
    • 環境音ならホワイトノイズを消すなど綺麗にする
  • 色補正

フィードバック

  • フィードバックする側が気をつけるといいこと
    • 〇〇分〇〇秒の何が〜のように,時間を指定して指摘すると編集者は助かる
    • 意図と理由をきちんと述べてくれると助かる
    • 「ここがよくないと思う」というコメントが一番困る。どうしてそこがよくないと思ったのか,逆にどうしたらいいと思うのか方向性だけでも提案してくれると助かる。
  • 編集者はだんだん映像に慣れてきて,初心を忘れがちなので他の人に見てもらうと良い
    • 伝わりづらい日本語とか
    • テロップに対して表示時間が短すぎるとか
    • 一日の作業が終わったくらいのタイミングで時々書き出して見直すと良い
    • バグってたりするし,一連で見た方が問題点がわかりやすいと思う
    • googledriveに定期的にアップして見てもらうと、他の人も進捗を心配しなくて済む
  • ほどほどに人の意見を聞く
    • ある程度まで行くと個人の好みになったりするので、コメントはうまく活用
    • 謙虚な心と忍耐力と決断力が必要な気がする
    • 難しい...圧倒的センスで殴る
  • コメントをもらえるのはとてもありがたいし、みんなの気に入ってくれるものになるが、編集自体は一人の力でやり切った方がいいと思う

公開前に気をつけた方がいいこと

  • 撮影場所の施設管理の人に必ず撮影許可をとる
  • 通行人や企業のロゴ等,自分たちのの活動に関係ない人や物,特に肖像権や著作権があるものが映り込まないようにする
  • 動画制作関係者以外の顔が映り込む場合には本人に許可を取る,もしくはぼかしをかけるなど適切に処理する
  • (特に私有地の)建物の外観が写り込まないようにする
  • 悪意ある改変がされないよう注意を払う(強い主張をしない)
  • 公式なロゴを使用できるかはきちんと確認する(著作権があり許可取りが結構大変だから)
  • (コロナ関連)人数が密集しているシーンは入れない
  • 音楽,SE,その他素材は著作権に気を付けること(利用条件をチェックする。キャプションをつける必要があったりする)
  • 機密事項を入れない(必ず確認をとる)

配信について

  • OBSを利用したことがある.
  • シーンを設定しておいて,それを切り替えるイメージ

用意しておくもの

  • YouTubeアカウント
  • 配信URL
  • 配信コンテンツ本体
  • 画像
    • 開始までしばらくお待ちください
    • 再開まで少々お待ちください(トラブル対応用)
    • 休憩
    • 質問を受け付けています
    • 質疑応答中
    • 配信は終了しました.ありがとうございました.

事前にチェックしておくこと

  • YouTubeアカウントとの連携
  • 通信環境
  • 音チェック
    • マイクと動画との音量調整
    • 自分のマイク音を自分で聞けるようにするかどうか
  • 画面切り替え時にコンテンツが再生・停止されるか